このごろ、周りでよく見聞きする「丁寧な暮らし」という言葉。
丁寧に暮らすことをSNSなどで発信するのが、なんだか流行っているらしいですね。
合理的ではなく、効率的でもなく、丁寧に時間と手をかけることが「丁寧な暮らし」のようです。
なぜ今の時代になって、丁寧な暮らしに憧れる人が増えているのか不思議です。
そういうブームが起こると、何となく自分もそうしなければいけないような気持ちになって、勝手にプレッシャーを感じて疲れてしまう人まで出てきました。
何ともオカシナ現象です。
突然ですが、あなたは丁寧な暮らしをどう思いますか?と問われた時の気持ちについて考えてみましょう。
丁寧な暮らしとは
丁寧な暮らしとは、生活する上で効率化が求められてきたことに、時間と手間をかけることです。
具体的には、
・部屋の隅々まで掃除をする
・お菓子は手作りにこだわる
・ハンドメイドの小物作り
・DIYで好みの部屋を作る
・ナチュラルな手作りコスメ
・花を育てる
・野菜を育てる
このように、忙しい日々に追われていると、つい忘れがちなことや、手を抜きがちなことをあえて丁寧にすることで、心が豊かになるというのが丁寧な暮らしのベースにあるのです。
丁寧な暮らしブームのきっかけ
丁寧な暮らしブームは、SNSがきっかけだと言われています。
少し前は、セレブ的な生活をしていることを自慢するために、きらびやかな暮らしの様子を発信することが流行っていました。
しかし、そうやって身の丈に合わない暮らしを自慢するために、無理をして疲れてしまう人が続出したのでしょう。
そのうち、徐々にシンプルな暮らし、ナチュラルな暮らしを発信することが主流となってきたのです。
丁寧な暮らしはシンプルでナチュラルな暮らしの発展形だと思われます。
また、2016年に放送された朝ドラ「とと姉ちゃん」のモデルになったヒロインが創刊した「暮らしの手帖」という雑誌の中に紹介されるような丁寧な家事に対する憧れも影響したと考えられます。
「暮らしの手帖」を読むと、強い憧れを持ちながらも「私にはとても無理ね」と諦めてしまう人も多いのです。
ところが、家の中で過ごす時間が増えるようなご時世になったことで、丁寧な暮らしを実践できる人はSNSへの発信を始めたことで、ブームになったと思われます。
丁寧な暮らしは本物の贅沢
丁寧な暮らしに憧れる理由は、どんな豪華な生活をするよりも、自分が生活する環境にこだわりを持ち、時間と手間をかけて整えることに本物の贅沢を感じるからです。
お金を使えば、誰でも華やかな生活をすることはできます。
ですが、丁寧な暮らしはお金では解決できないのです。
時間と手間を惜しまずに、小さなことにもこだわりを持って暮らすのは、本当の意味での贅沢だと思います。
大雑把な暮らしに罪悪感
丁寧な暮らしがSNSでブームになる反面、反発も大きくなっています。
丁寧な暮らしをしたくても、仕事が忙しくて24時間じゃ足らない
丁寧な暮らしとか、暇な人がすることでしょ
丁寧な暮らしを自慢するのは何なの?
そう言いたくなる気持ちも、ちょっとわかります。
丁寧な暮らしをするのは自由ですし、自分が気持ちよく暮らすためのこだわりであれば、何も問題ありません。
ですが、それをわざわざSNSで発信するのは、丁寧な暮らしをしている自分をアピールしているわけです。
見せつけられているようで不愉快に感じるのは、丁寧な暮らしに憧れつつも、それができないからでしょう。
大雑把に暮らしていても、本心では丁寧な暮らしを否定しているわけじゃなく、憧れがあるので反発したくなるのですよね。
丁寧な暮らしを見せつけられるたびに、大雑把な暮らしをしている自分に罪悪感を持ってしまうと、反発もどんどん強くなるのではないでしょうか。
ほどほどの丁寧と大雑把
丁寧な暮らしができる人は、とても素敵だと思います。
でも、それを自慢するために無理しているのなら、ひと昔前のセレブ自慢と同じです。
そのうち疲れてしまいます。
また、大雑把にしか暮らせないことに罪悪感をもってしまう人でも、ピンポイントなら丁寧な暮らしを楽しむこともできます。
丁寧な暮らしにこだわり過ぎず、手抜きできることは抜き、こだわりたいところは手をかけて、メリハリをつけることが大切だと思うのです。
隅々まで丁寧な暮らしをしなければいけないと思ってしまうと、最初から諦めてしまいます。
大雑把と丁寧のバランスを自分なりに考えれば、無理なく続けられるのでないでしょうか。
まとめ
今までの当たり前の暮らしが変わってしまうような事態になり、思うように外出できなくなったことは、暮らしを見直すきっかけになったと思います。
思いがけず、丁寧な暮らしにハマった人も多いはず。
時短や手抜きがもてはやされるのとは、真逆のブームに付いていけずに、ちょっと焦ってしまった方もいると思いますが、いつでも丁寧な暮らしは始められるので、焦ることはありませんよ。
自分が快適に暮らせるのなら、丁寧でも大雑把でも全く問題ないでしょう。