人間関係の基本中の基本とも言えるギブ・アンド・テイク。
いわゆる、持ちつ持たれつ、お互い様の関係のことですよね。
ギブ・アンド・テイクのない人間関係は、この世には存在しないはずです。
親から子へは無償の愛をささげるものだと考える人もいますが、親は子から幸せな時間や親として成長するチャンスを受け取っています。
だから、人間関係にはギブ・アンド・テイクは欠かせないと思うのです。
ところが、世の中にはギブ・アンド・テイクが通用しない人が存在します。
どのようなタイプのことなのか、ご説明しましょう。
ギブ・アンド・テイクの比重
ギブ・アンド・テイクとは、対等な関係を保つことです。
たとえば恋愛でたとえると、恋人に尽くすのは愛されたいからですよね。
一方的に尽くすだけで、愛を返してくれなければ、恋愛関係は破綻してしまうはずです。
しかし、世の中には与えることでしか、自分の存在価値を見出せない人がいます。
そして、与えられ続けることを安易に受け入れてしまう人もいるのです。
もしも世の中で偶然に与えたがりの人と受け入れる人が出会えば、お互いに需要と供給がマッチしているので問題ないはずです。
ですが、このような人間関係は執着や嫉妬というネガティブな感情を生み出す結果を招きやすいのです。
なぜかと言えば、この両極端な2人には共通して「依存心」の強さがあるからです。
与え過ぎてしまう人
与え過ぎてしまう人は、いわゆる共依存と呼ばれる問題を抱えています。
共依存というのは、簡単に言ってしまえば、自分の価値を人に依存していることです。
誰かに何かをしてあげることでしか、自分を認められないと感じてしまうのです。
自分が何をしたいのかではなく、人に何をしてあげられるのかだけを考えてしまいます。
それが悪いわけではありませんが、与え過ぎてしまえば、周りの人たちとに関係も歪になっていくでしょう。
与えられるだけでは「申し訳ないな」と感じるはずです。
しかし、与えることでしか自分の価値を見出せない人は、断られると急激に不安に襲われてしまうのです。
それが感情を乱してしまい、人間関係が一気に崩れる原因になってしまうのでしょう。
受け取り続ける人
与え過ぎてしまう人に対して、与えられるものは何でも素直に受け取ってしまう人もいます。
このタイプは、育った環境の影響もあるでしょうが、「もらえるものは断らない」というのがベースにあります。
一般社会では、自分が何かしてもらったら、お返しをするものです。
それがギブ・アンド・テイクでしょう。
しかし、世の中にはごく一握り存在するのです。
人から与えられることを当たり前と思い、相手に返すことに考えが及ばない人が。
もちろん、表面上は感謝の言葉を述べるでしょうが、相手に対してお返しすることができないのです。
自分は与えられる価値のある人間という自信が根底にある人や、甘えたりおねだりするのが上手で愛嬌のある人たらしに多く見受けられます。
このような人たらしの近くに、人に与えることでしか自分の価値を見出せない共依存の人物がいると、与え続け、受け取り続けるという関係である程度は上手くいくのです。
しかし、人たらしは自分の周りにいる人に甘え、頼ることをためらいません。
すると、共依存の人物は、自分の居場所を奪われる危険を感じてしまいます。
その関係が崩れ始めると、与え続けたことへの見返りを求めるようになったり、周囲の人間関係を断ち切らせるような画策を考えることもあるのです。
結論
ギブ・アンド・テイクが通用しない両極端な2つのタイプは、人間関係を上手く保つために絶対に不可欠な距離感が理解できていないのです。
持ちつ持たれつの関係は、それぞれの領域を守りながら、上手く人と付き合うために必要なことです。
頼んでもいないのに、親切心を押し付けられたりすると、距離を置きたくなるものですが、それがわからない人は受け取り続けるのです。
このような歪な人間関係は、とてもめんどくさいですよね。
ギブ・アンド・テイクが通用しない人に遭遇した時は、距離感をしっかり守るように心がけましょう。