何度か登場している我が家の女子猫の慢性鼻炎について。
鼻水出てるだけじゃん
鼻水以外は元気なんだよね
でも苦しそうな時もあるよ
すぐに良くなるから
気にしない~
本人にとって、鼻水がどれほどツラいのか、さほど気にしていないのか、そこはわからないのです。
しかし、鼻が詰まると嗅覚が落ちますし、食べ物のニオイがわからなくなるため、食欲も落ちることがあるそうです。
今のところ、そこまでひどくなることはないのですが、咳込むような逆クシャミが続いたりすると、見ている方はツラいものです。
今回、子猫の頃から続いている鼻炎を治すことを考えました。
治らないものだと諦めて、割り切っている飼い主さんもおるようですが、諦める前にできることを全て探してみようと思います。
猫の鼻炎は治りにくい
じつは猫風邪に感染した子猫は、鼻炎の症状が長引くことがとても多いそうです。
猫は鼻呼吸する生き物なので、人間より鼻腔の構造が複雑になっていて、外からの細菌が入り込まないようになっているとか。
つまり、猫風邪に感染して鼻腔の奥までウイルスや細菌が入り込むと、外から攻撃してもなかなか効果がないのです。
だから治りにくく、長引いてしまうわけです。
また、猫風邪のウイルスにはヘルペスもあります。
ヘルペスに一度感染してしまえば、体内に潜んでいるので追い出すことは不可能です。
体力が落ちて免疫力が弱くなったりすると、ウイルスが活性化して暴れます。
口唇ヘルペスはよくありますね。
帯状疱疹もヘルペスウイルスです。
猫風邪が治ったように見えても、また再発しやすいのはヘルペスが原因であることも考えられるわけです。
鼻炎の原因を突き止める検査
鼻炎の原因を突き止めるために、鼻水を採取して細菌の培養検査を受けました。
ヘルペスウイルスが原因だった場合はまた別の検査が必要になるのですが、ヘルペス用の薬を点鼻したり服用しても一向に症状が軽減しなかったため、可能性は低いと考えられました。
まずは細菌の種類を特定して、どの治療法が効果があるのか調べる必要があるというう獣医師の判断です。
同時に鼻と喉と胸のレントゲンも撮りました。
培養検査の結果は1週間ほどで出ます。
また、院内での簡易検査ではブドウ球菌のよう細菌も見つかったことから、抗生剤の注射コンべニアを接種して経過を見ることになりました。
コンべニアが効いた
コンべニアとは、体内で2週間効果を持続できる抗生剤の注射です。
野良猫を捕獲して去勢避妊手術し、元の場所へ戻すTNRの活動に協力する病院では、術後の傷口の化膿を防ぐためにコンべニアを使うケースが多いです。
薬を飲ませるのが難しい場合には、飼い猫にも使います。
その注射が効いたようで、ひどかった鼻炎も随分とおさまりました。
ただ、完全にスッキリしたというわけではなく、症状が緩和されただけで、鼻の奥の方ではまだグズグズしている感じがわかります。
炎症を起こしているのか、鼻息もスースー聞こえるので素人でもわかります。
しかしひとまず、ひどかった鼻水や鼻ずまり、クシャミが軽くなっただけでも、コンべニアの効果があったので嬉しかったですね。
培養検査の結果
コンべニアのおかげで鼻炎の苦しそうな状態を脱したのですが、培養検査の結果ではコンべニアの注射だけでは細菌を抑えきれないことがわかりました。
まったく効かないわけじゃないけれど、効き目のとしては3段階の真ん中。
あまりコンべニアを使い過ぎると、最近が耐性化して耐性菌となり効かなくなってしまうため、食欲がなくなるほどひどくなった時だけ使う方が良いと言われました。
他にも数種類、効く薬はあったのですが、腎臓への負担が大きいとか、胃腸障害を起こしやすいとか、点鼻薬なので奥まで届かないなど・・・一長一短です。
しかし、原因の細菌の種類が突き止められたため、これからどう治療すればいいのか、作戦を考えやすくなったと思います。
ターゲットを特定できなければ、戦う方法もわかりません。
検査とコンべニアの注射など、トータルで25,000円ほどの費用でしたが、検査を受けて良かったと思っています。
まとめ
人間の病気もまだ原因不明や治療法が見つからないものが多数あります。
動物の病気となれば、人間以上に医学が進歩するとは考えにくいですが、人間同様に検査によって治療法を探す動物病院は増えていると思います。
適当な薬を処方して運よく治ればいいのですが、様子を見て変化なければ薬を変えるという経過観察を長く続けているうちに悪化してしまうことも考えられるのです。
もしもペットの病気のことで獣医師に診てもらっても不安なときは、遠慮せずにセカンドオピニオンを受けましょう。
今回の検査もセカンドオピニオンを受けた動物病院でした。
獣医師の知識、対応力は差があるので、それぞれの状況に応じて病院を選択できるような準備は必要ではないでしょうか。
また後日、慢性鼻炎の具体的な治療について考えてみようと思います。