猫を飼い始めたのに、猫に懐かれなくて無責任に手放す人間もいます。
そういう人間は、きっと自分以外の命を愛することができないので論外です。
でも、家族として愛する決意をして迎えたのに、懐かないのは少々悲しくなりますよね。
人間が好きな猫と嫌いな猫がいるので、どんなに頑張っても一定の距離から近づけないこともあるのです。
ただ、生後3ヵ月未満の子猫であれば人間嫌いになることは滅多にないので、懐かないのは何か理由があるはずです。
そこで猫に好かれる人と好かれない人の違いを解説します。
猫に好かれる人と好かれない人
猫は警戒心が強い生き物なので、懐くまでに時間がかかることもあります。
そういう猫の性格を踏まえた上で、好かれる人と好かれない人の違いを見ていきましょう。
声量
猫は聴覚がとても優れています。
人間には聞き取れないような小さな音も、猫の耳にはしっかり届きます。
そんな敏感な聴覚を持っているので、声が大きな人は苦手です。
また、音域は高過ぎず、低過ぎない方が好む傾向があります。
甲高い子供の声や、成人男性の低い声は慣れ難いようです。
声の大きな男の人は、猫に好かれないので、声のボリュームを落とすように心がけましょう。
動作
臆病で警戒心の強い猫は、大きな動作をする人はとても怖がります。
足音を立てて歩く人、ドアの開け閉めが激しい人、物を乱暴に投げたり置いたりする人。
できるだけ小さな動作で生活できる人の方が圧倒的に好かれます。
突然激しく動く子供や、動作が大きな男性はやはり苦手に感じる猫が多く、懐かないかも知れません。
距離感
猫に懐かれたい一心で、構い過ぎる人は好かれません。
自由に行動したい生き物なので、抱っこされることを嫌がる猫は多いです。
自分が撫でて欲しい時、甘えたい時などに静かにそばに近寄っても、激しい動作をしない人を好みます。
私は子供の頃から猫を飼ってきましたが、どんなに可愛がっても、結局のところ母親と祖母に懐きました。
ご飯の世話をしてくれる母親と、いつも静かに座っている祖母は猫にとって安心できる存在だったのでしょう。
自分と適度な距離を保ってくれる人のことを、猫は観察しています。
安心できる人だと判断するまで、無理に距離を詰めないことが好かれるポイントです。
野良猫を懐かせる方法
猫を飼うために、生体販売しているペットショップから購入するのが悪いわけじゃありません。
ですが、野良猫はもともと人間のエゴで飼育放棄されたり、無責任な繁殖が原因で増えてしまったのですから、生体販売で買うのではなく、保護猫を家族に迎え入れて欲しいと願っています。
とは言え、成猫になった野良さんを保護しても、簡単に家猫になるわけじゃありません。
下手をすれば、ずっと家庭内野良状態のままかも知れません。
それでも愛情を注いでくれる存在と確認できれば、距離は少しづつでも縮まる可能性もあります。
最初はとにかくお互いのガマン比べです。
ケージの中で1週間ほど過ごさせて、家の中の雰囲気を観察させます。
すごく鳴く場合は、ケージに毛布などの布をかけて隠してあげると落ち着きます。
1週間くらい経ったら、人間が生活している様子を見せます。
同じ部屋で寝ると、早く慣れるケースもあります。
無防備に眠る様子を見せることで、人間に対する警戒心が薄れやすいのかも知れませんね。
そうやって徐々に人間の近くにいることに慣れて、ケージの扉を開けながら徐々に行動範囲を広げていきます。
成猫の野良さんは、1年経っても触らせてくれない子もいます。
そういう猫は、野良時代に人間にひどいことをされた可能性があるので、無理は禁物です。
ですが、愛情を伝える努力を続ければ、彼らなりのスピードで懐いてくれる望みはあるので、焦らないことが重要です。
保護された子猫が懐くまで
保護猫ボランティア団体で里親募集していた子猫を迎えた場合は、ボランティアの方たちが人間に慣れるように接しているので、懐かないことは滅多にありません。
ただ、母猫と一緒に居た期間が長い子猫は、親から英才教育を受けてしまうため、人間に慣れ難いケースがあります。
母猫が「人間は怖い生き物だから注意して」と教えてしまうからです。
とくに人間から危害を加えられた経験がある母猫は、子猫にもしっかり人間の怖さを教え込むため、子猫でも人を威嚇して「シャーシャー」言うこともあります。
母猫次第なので、何とも言えませんが、生後2ヵ月~3ヵ月までに人間に保護されている子猫であれば、人馴れは難しくありません。
3ヵ月以降まで母猫の近くで成長した子猫は、少し時間がかかるかも知れないので猫を飼った経験のない人はその点を考慮してください。
猫に好かれる人の特徴
猫に好かれない人の特徴を見れば、どんな人が好かれるのかわかりますよね。
声のトーンが低過ぎず、声が大きすぎず、適度な距離感を保ち、静かに行動する人が好かれます。
ですが、この条件に当てはまらない人でも、猫に好かれる人もいます。
それは「猫の撫で方」が上手な人です。
猫同士がグルーミングし合うのと似ている感覚で、人間に撫でて欲しがります。
抱っこが好きな猫よりも、抱っこが苦手な猫の方が撫でられるのが好きなこともあるので、抱っこできなくても諦めることはありません。
猫が撫でられて気持ち良い箇所は、顎、首、背中、尾っぽの付け根などです。
個体差によって好きなところが違います。
お腹を撫でられるのを嫌がる子も多いですが、すごく好きな子もいます。
近くに寄ってきて、身体をすり寄せてきたら、撫でて欲しいアピールの可能性が高いので、先ずは驚かせないようにそっと背中や首を撫でて、気持ち良いポイントを探ってみましょう。
わしゃわしゃと雑に触ると嫌がられることがあるので、毛の流れに逆らわずに静かに撫でてあげてください。
まとめ
猫に好かれる人とはどんなタイプなのかわかれば、懐いて欲しいという気持ちが先走って、猫を追いかけまわして怖がらせるような失敗もないでしょう。
猫はとてもデリケートな動物ということを忘れないでくださいね。