猫と一緒に暮らしていると、黒目が大きいときの表情と黒目が細くなるときの表情の違いに気が付きますよね。
人間の眼の構造とは少々違うのだと思いますが、暗いところと明るいところでは瞳孔の開き方が違うのは猫も人間も同じです。
じつは一昨日の夜のこと。
我が家の男子猫ふくの左目の黒目が細くなっていることに気が付きました。
右目との大きさの違いがハッキリとわかるので、とてもビックリしました。
なぜ?どうして?
軽くパニックになって、大急ぎでネットで調べてみたり、24時間の獣医師電話相談に電話したりしましたが、心配になることばかり・・・
どうしよう・・と泣きたくなるほどの動揺ですが、深夜になり、近くに救急で診てくれる動物病院もないため翌日まで様子を見るしかありません。
生きた心地もしないまま、とにかく朝を待つことにしました。
その時からの経過を記しておこうとおもいます。
同じようなことが起きた猫飼いさんの役に立てることがあれば幸いです。
黒目の大きさの違い
うちの男子猫ふくの
目の状態をみてください
実際にはもっとハッキリわかるほどの左右の違いですが、動くのでなかなか写真が撮れず、これが一番わかります。
ぼくの写真だ
喜んでいる場合ではなく、飼い主はもう心臓バクバクになるほどビビりました。
この子は、1歳半のときに肥満細胞腫という腫瘍が右目の瞼にできて切除しました。
また、左目は保護されたときから涙目で、猫風邪の後遺症で涙と鼻をつなぐ管が塞がっているので、いつもウルウルとしています。
なので、黒目の大きさが違うとしても、どちらが異状なのか素人ではわかりません。
この状態が数時間続きました。
瞳孔不動について
黒目の大きさが左右で違う原因をすぐにネットで調べてみました。
猫によくあることなのか、それとも緊急を要するような重大な病気なのかわからないからです。
黒目の大きさが左右違うことを、瞳孔不動というそうです。
猫の瞳孔不動について調べてみると、原因として考えられることがいくつかわかりました。
中耳炎
中耳炎が原因による瞳孔不同は、眼球に傷などがないことを確認した次に疑われます。
左右の黒目の大きさが違うだけじゃなく、耳を痒がったり、首を傾けたり振ったり、眼球が細かく揺れる眼振などの症状が出ます。
ホルネル症候群
ホルネル症候群は、交感神経の麻痺によって起こる瞳孔不同です。
猫には比較的多いそうです。
例えば猫風邪による鼻炎から中耳炎になり、その炎症が交感神経に影響して麻痺がおこることもあるようです。
交感神経(自律神経)の麻痺なので、眼球のほかにも目の周りに変化が出ることが多く、顔面にけいれんが見られることもあります。
鼻炎から起こる中耳炎や外耳炎がない場合は、神経の病気も疑われます。
脳の腫瘍も考えられるため、ふらつきや嘔吐、歩行困難などの症状がないかどうかの確認も必要です。
進行性網膜委縮
網膜が委縮してしまう病気で、左右の黒目の大きさに違いが見られるのが特徴です。
失明の危険があるのですが、治療法が確立されていないので、進行を遅らせるための対処療法をするしかない怖い病気です。
先天的な遺伝と後天的なものがあるそうです。
後天的な原因は、タウリン不足など栄養状態の悪さが影響すると言われています。
総合栄養食を食べている飼い猫には起こりにくいですが、先天的な遺伝であれば栄養に関係なく発症してしまいます。
視力が落ちいくので、歩きにくくなったり、あまり動かなくなるなどの行動の変化が見られます。
特発性ホルネル症候群
うちの男子猫ふくに瞳孔不同がみられたあと、数時間で徐々に黒目の大きさの違いが目立たなくなってきました。
翌日には、じっくり見ると「なんとなくまだ違うかな」くらいなので、病院に連れて行くべきが迷いました。
荒天の日だったため、悪化していないのなら様子を見ても良いのではないかと思ったのです。
それは、ネット検索してみると原因が特定できずに自然に消えてしまう特発性ホルネル症候群が猫には多いと知ったからです。
左右の黒目の大きさがほんのわずかに違うことを除けば、他に気になるような症状もなかったのです。
その日は台風の影響で荒天だったため、無理して連れていくこともないかな・・と思いました。
が!!!
念のためにかかりつけの動物病院に電話をして緊急性がないかどうか確認してみました。
黒目の大きさがあまり違わなくなったので、
緊急性はないでしょうか
何も異状がないのに
そういう症状が出ることはありません
様子を見て良い状態とは言えないですね
え・・・・
もしも眼球の外傷であれば
処置は早い方がいいです
わかりました
こうしてかかりつけの動物病院へ受診して、眼球の表面の傷などを調べてもらいましたが、異状はなかったのです。
しかも、その時には左右の黒目の大きさは同じで、全く瞳孔不同ではありませんでした。
念のため画像を見てもらうと、獣医師も首をかしげます。
ただ、この子が肥満細胞の病歴があることはわかっているので、もしも眼球やその周辺に腫瘍ができていることも考えられないことはないと言われました。
ですが、獣医師が一人で開業している街の動物病院です。
眼科の専門医ではないので、そこまで詳しい検査はできません。
専門医のいる病院で詳しく検査するようにすすめられました。
まとめ
猫の黒目が左右で大きさが違うという状態を見れば、飼い主はとてもビックリします。
その原因を調べれば、怖いことばかりが見つかる反面、特発性で自然に治ってしまうケースも少なくないという結果も見つかります。
誰でも「きっと自然に良くなる」と信じたいところですが、やはり一度でも腫瘍の既往があると楽観的になれないのですよね。
次回は、眼科の専門医のところで受けた検査や説明について詳しくお伝えします。