猫ブームは世界中で巻き起こっているようですね。
きっとYouTubeで猫の動画が見られるようになったからじゃないでしょうか。
猫と暮らしたことがない人にとって、猫の愛らしい様子はきっと新鮮に映ると思います。
初めて猫を家族に迎えて、その魅力にメロメロになっている人たちが増えているのは猫好きにとって嬉しいことです。
でも、ずっとその幸せな暮らしが続く保証はないのですよね。
もしもの時のことを考えておくのも、猫を迎えた私たちの責任だと思います。
そこで、猫と生活している方にぜひ知って欲しいことがあります。
完全屋内飼育は猫の幸せ
猫は犬とは違い、家と外を自由に出入りさせて飼っている家庭が多かったですよね。
今でも首輪をつけて外を自由に歩いている猫もたまに見かけますが、猫にとってとても危険です。
屋外に出ると猫の感染症のリスク、事故のリスク、動物嫌いの人間から傷つけられるリスクなど危険がいっぱいです。
野良猫として生きている猫の平均寿命は3年です。
室内で生活する猫は20年近く生きるのと比べれば、屋外がいかに危険なのかわかりますよね。
家の中に閉じ込めるのが可哀想なんて思うよりも、屋外に出させてしまう方が危ないのです。
猫はテリトリーを守り、そこで安心して暮らしたい生き物なので、家の中が安心できる場所であれば、外に出す必要なんてありません。
家の中にキャットタワーなどを設置して、猫の好きな上下運動を十分させてあげれば、運動不足の心配なんてありませんよ。
猫が家にいることを周知するアイテム
猫を完全屋内飼育することで、1つだけ心配なことがあるとすれば、災害時や飼い主に何かトラブルがあった場合などに帰宅できなくなることです。
ここからは、保護猫ボランティアをしている方から聞いた事例です。
事故で帰らぬ人になった女性
猫の保護活動を個人でしていたTさんは、一人暮らしをしながら保護猫シェルターで里親が見つからなかった猫を引き取っていました。
10匹の猫を一人で世話しながら生活していたので、飼育費用のためにもダブルワークしていたそうです。
ある日、バイトを終えて自転車で帰宅途中に車にはねられてTさんは帰らぬ人になってしまいました。
Tさんの部屋には、帰りを待つ猫たちがいます。
でも、猫たちがそのまま放置されることはありませんでした。
なぜなら、Tさんが自分自身の健康保険証の裏面に「私の家には猫がいます。何かあったら○○さんへ連絡してください」と書かれていたのです。
連絡先は保護猫活動を手伝っていたシェルターの運営者の方でした。
その日のうちに猫たちの世話に向かった運営者の方が、残された猫の引き取り先を探し、10匹の猫たちは新しい家族を見つけることができたのです。
実家の親もすでに他界していて、兄弟とも疎遠になっていたTさんなので、もしも保険証に猫たちを託す連絡先が書かれていなければどうなっていたでしょうか。
病気で意識を失ったままになった女性
保護団体から3匹の猫を引き取ったYさん。
保護団体の運営者の自宅の近所ということもあり、猫との楽しい生活をいつも話してくれて、とても安心していたそうです。
ところが、ある時その運営者のところの病院から電話が入りました。
その病院に2ヵ月ほど前からYさんが入院しているというのです。
駅で意識を失い搬送されて、そのままずっと意識が戻らない状態だったのです。
やっと意識を取り戻し、自宅に残された猫のことを伝えられるまでに2ヵ月近く経ってしまいました。
保護団体の運営者の方は、鍵を預かりYさんの自宅に急ぎましたが、3匹とも部屋の隅で丸くなって亡くなっていました。
とても悲しい結果です。
家に猫がいることを周知する
2人の愛猫家の話を知り、愛する猫たちのためにするべきをこと考えさせられました。
「家に猫がいます」というステッカーを玄関のドアに貼ったり、キーホルダーにして身につけて、もしもの時の対策をしている人たちもいます。
ぜひ、愛猫家の方たちはできる対策として何か考えて欲しいと思います。
スマホケースに貼り付けたりするのも良いですね。
猫の写真、年齢、既往症、ワクチン接種、去勢避妊などの情報を記載した名刺サイズのカードを作って持ち歩くのもおすすめです。
家族と一緒に暮らしていても、大災害が起こることも想定して、できる限りの対策を考えておきましょうね。
まとめ
今でも田舎では、飼い猫を家の外に自由に出している人もいます。
動物に対する考え方は人それぞれですが、猫を自由に外に出してしまうのは、とても危険だということを知ってください。
事故、ケンカによる感染症、猫嫌いの人間による攻撃など、猫の安全を確保できないので、完全室内飼育で猫を終生守ってあげてください。