猫は自分のテリトリーに対するこだわりの強い動物です。
猫の行動によくある爪とぎや体をすりつけるのは、自分のテリトリーであることをアピールするためだと言われています。
生まれたときから完全に室内で生活する猫でも、爪とぎやスリスリはしますよね。
でも、スプレー行為をすることは滅多にありません。
とくに早い段階で避妊去勢を済ませていると、スプレー行為でマーキングすることはまずありません。
ですが、成猫になってから保護された場合は、スプレーをやめさせることは難しいのでしょうか。
マーキングする目的
自分のテリトリーをアピールするためのマーキングは、猫以外の動物でもしますが、群れで暮らす習性のない猫の行動としてよく見られます。
群れで暮らさないので、自分だけで縄張りを守らないといけません。
猫はケンカすることもありますが、基本的には無駄な争いを好むわけではないので、マーキングのよって「ここは他の猫の縄張りだ」と察知すると、出くわさないように避けることが多いのです。
オス猫は、発情期のメス猫を巡って争うことがあり、そういう場合はマーキングもあまり意味を成さないようですが、平常時は意外と平和を好む動物なのですよ。
スプレーを防ぐ方法
スプレーとは、通常のオシッコよりも強いニオイを含む尿によるマーキング行為です。
オス猫もメス猫もしますが、オス猫の方が頻度は高いです。
しかし、オスもメスも一度スプレー行為をおぼえてしまうと、防ぐのはかなり難しいのです。
スプレーを防ぐためには、生後半年までに避妊去勢手術を終えることが一番効果があります。
オス猫の場合は、それでもスプレー行為を100%防げるという確証はないのですが、滅多にありません。
成猫を保護した場合
スプレー行為をやめさせるのに苦労するのが、成猫になってから保護されたオス猫が室内で暮らす場合です。
メス猫でも、屋外で生きている間にスプレーをしてきた成猫は完全に辞めさせるのは難しいですが、オス猫ほどの頻度ではしなくなります。
オス猫の場合は、自分のテリトリーを示す方法としておぼえてしまったので、家の中を「自分の場所」と認識しているからこそ、スプレーして安心できる場所にするのです。
マーキングの種類には、爪とぎ、スリスリ、スプレーの3つが主な行動です。
よく言われるのが、爪とぎは活発でやる気のある状態をアピールする行為です。
飼い主さんと遊ぶときに、爪とぎをする猫は「やる気」を見せているわけです。
顔や体をこすりつけるのは、お気に入りにニオイを付けているので、比較的リラックスしているときに見せる行動です。
最後のスプレーは、不安を感じたり、他の猫の存在を感じたときにしやすい行動です。
成猫を保護して、他の猫と一緒に暮らすようになると、自分の居場所として安心できるところを作りたくてスプレーするのだと思います。
つまり、保護猫でも安心できる場所だと認識するようになると、スプレー行為は徐々に減ることもあります。
ゼロになることはなくても、ところかまわずスプレーするような状態は少しずつ減ると思われます。
スプレー予防の方法
スプレー行為を防止する方法としては、主に3つあります。
ニオイを消す
スプレーした後にそのニオイを残しておくと、また同じところにしやすいので、できる限り早くふき取り、ニオイを消します。
ペットに安全なニオイ消しのスプレーなら、安心して使えます。
安心できるスペース作り
スプレーする猫が、家の中で安心できる場所を作ってあげるとスプレー行為をしなくなるケースもあります。
とくに他の猫と一緒に暮らすに慣れていない保護猫は、自分の居場所を見つけられずに不安が大きくなるとスプレーしやすいのです。
ストレスを感じているようなら、とくに住み分けできるような工夫も必要かも知れません。
段ボールハウスのような簡易的なものでも、安心できるのであれば効果は期待できると思います。
フェイシャルフェロモン
猫が安心するフェイシャルフェロモンを拡散するリキッドが市販されています。
不安を感じた時にスプレーしやすい猫には、効果が期待できます。
完全に防ぐのは難しいとしても、猫が嫌がるニオイで防ぐ忌避剤を使うよりずっと猫のストレスを軽減できると思います。
まとめ
猫がスプレーするのを完全にやめさせるのは、かなり難しいと思います。
ですが、工夫次第で減らすことは可能です。
それでもどうしてもなくならないのであれば、人間側で対策すれば良いのです。
よくスプレーする場所には、すぐに捨てられるキッチンペーパーを貼っておいたり、壁紙の上にプラ段を貼っておくなどお金をかけずに対策できる方法は色々あります。
家の中が安心できる場所だとわかってくれれば、成猫になってから迎えた猫のスプレーも減らせると思います。